失業保険を受けるにはどのような要件が必要なのでしょうか?
失業保険は、正しく雇用保険の失業等給付のことを言います。ですが一般的な呼び名の主流は「失業保険」です。
失業保険は雇用保険加入者が失業した場合に支給されるものです。生活の安定を確保して「求職活動」ができるように支給するものです。
ですが、誰に対しても制限なく支給していたら国の予算がなくなってしまいます。
失業保険を受け取るにはいくつかの条件を満たしている必要がありますし、それぞれ支給を受ける金額や日数も異なります。
失業保険を受けるためには以下に受給資格が必要です
雇用保険の加入期間
失業保険を受取る要件として、離職前過去2年間の間に、通算して12ヶ月以上の雇用保険に加入していることが必要です。
ただし、1月のうち11日以上出勤(賃金支払基礎となった日)している月に限ります。これは労働した日だけでなく、有給休暇や休業手当なども含まれます。
※離職の日以前2年間の間に、傷病のための欠勤があったり(賃金支払ない)、出産があったりした場合はその期間更にさかのぼって加えることができます。
会社都合退職、又はやむを得ない理由で退職した場合
会社都合で退職を余儀なくされたり、自己都合でもやむを得ない理由の場合は、加入期間が短縮されます。
その場合、離職から過去1年間の間に、通算して6ヶ月以上の雇用保険加入期間が必要です。
ここで失業保険を受け取る際に、大事なことがとして「特定受給資格者」と「特定理由離職者」と言うものがあります。
- 特定受給資格者とは、会社都合(倒産や解雇等)で退職を余儀なくされた場合
- 特定理由離職者とは、特定受給資格者以外のもので、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことや、本人の身体的問題または家族などの理由によってやむを得ない理由で離職した場合を言います。
上記「特定受給資格者」と「特定理由理由離職者」の場合は雇用保険加入期間が短くて済みます。最短で6ヶ月以上の雇用保険加入期間があれば失業保険を受け取ることができます。
会社都合での退職はわかりやすいのですが、自己都合でやむを得ない理由とはどのような場合を言うのでしょう。
具体的には以下のような場合が該当します。
- 視力、聴力、体力の低下、心身障害などにより業務遂行が困難になった
- 結婚などで住所が変更になり、会社への通勤が困難になった
- 父・母の扶養介護が必要になったなど、家庭事情が急変した方
- 会社の人員整理などで、希望退職の募集に応じた
- 妊娠・出産などで退職し、かつ受給期間延長措置を受けた方
更に詳しい内容については以下のページにて確認してください。 失業保険のもらえる額はいろいろな要素で決まります。 大きな要素は以下の3つです。 ・退職理由 ・雇用保険の加入期間 ・年齢 ここで一番大事なものは、どのような辞め方をしたかの退職理由です。 会社の倒産 ...
失業保険で得する人と損する人(特定受給資格者と特定理由資格者)
この特定受給資格者と特定理由離職者の場合は、失業保険を受け取るまでの給付制限(2ヶ月間)がつかなかったり、給付日数が増えたりと優遇されます。
※2020年(令和2年)10月1日より、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が3か月から2か月へと短縮されました。
雇用保険の加入要件
最後に雇用保険の加入要件を見ていきます。
失業保険を受け取るには雇用保険に12ヶ月以上(もしくは6ヶ月以上)の加入期間が必要であることは上記で説明してきました。
ではそもそも雇用保険はどのような条件であれば加入することができるのでしょうか?
雇用保険の適用要件
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 同一の事業所に継続して31日以上の雇用が見込めること
上記条件さえ満たしていれば加入する必要があります。会社側で加入しなければなりません。
1日5時間、週4日のパートでも雇用保険に加入することはできるのです。そして12ヶ月以上の雇用保険加入期間があれば失業保険を受け取ることができます。
※更に詳しくはページをご覧ください。 失業保険をもらえる人、もらえない人の条件はいくつかあります。 ではどのような条件があるのでしょうか。 以下の図に該当する方が失業保険をもらえる人です。 もらえる条件としては、上記のように退職理由によっ ...
失業保険(雇用保険)をもらえる人、もらえない人