平成21年3月31日から平成29年3月31日までの間、暫定措置としていた「個別延長給付」ですが、平成29年3月31日で終了となりました。
ただし以下の条件に該当する場合は、給付日数を延長する暫定措置を5年間実施するとのこと。
・雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する暫定措置を5年間実施する。また、災害により離職した者の給付日数を原則60日(最大120日)延長できることとする。
以前の個別延長給付についてはかなり広範囲にサポートされていましたが、それが廃止された形になります。
「就職活動がうまくいっていない」という理由だけでは対象とはなりません。
災害により離職した、又は雇用情勢が悪い地域に該当する者のみが対象となります。
「雇用情勢の悪い地域」についてはハローワークに確認が必要です。
参照元:厚生労働省より雇用保険法等の一部改正 より
平成29年4月以降の改正点については以下の記事をお読みください。 毎年、雇用保険法は改正されます。 そして今年も変更点がありました。この変更点について説明していきます。 雇用保険法の改正については大きく5点あります。(平成29年4月1日より) 1.失業等給付の拡充 ...
雇用保険 平成29年度の変更点を詳しく説明(4月より)
個別延長給付は終了
個別延長給付は平成29年3月31日ももって終了となりました。
そもそも個別延長給付とは、倒産、解雇、雇い止め等により離職した方が、所定給付日数を過ぎても就職が決まらない場合、ある一定条件を満たせば原則60日間給付が延長になるという制度でした。
ある一定の条件というのは、求人への応募やそれに見合う積極的な求職活動です。
その上で再就職が困難だと判断された方が延長対象となっていました。
以下は既に終了となった個別延長給付の内容です。
対象になる方
倒産、解雇、雇い止め等により離職された方。
離職理由が「11、12、21、22、23、31、32」のうち、以下の1~3のいずれかに該当する方であって、再就職が困難だと公共職業安定所長が認めた方。
離職理由については離職理由コードをご覧ください。
- 受給資格に係る離職の日において45歳未満の方
- 雇用機会が不足する地域として指定された地域に居住する方
- 安定所長が再就職支援を計画的に行う必要があると認める方
積極的に求職活動をしていると判断されるには、求人への複数回の応募が必要です。
所定給付日数 | 求人への応募 |
---|---|
90日または120日の方 | 2回以上 |
150日または180日の方 | 3回以上 |
210日または240日の方 | 4回以上 |
270日の方 | 5回以上 |
330日の方 | 6回以上 |
上記の応募は、書類選考が不調で応募に至らなかった場合も該当します。
対象にならない方
上記の1.または2.の方で、以下に当てはまる場合は対象となりません。
・上記の求人応募回数に満たない方
・現実的でない求職条件に固執する方など、労働市場を考えない方
・失業認定日に来所しなかったことで不認定処分を受けた方(やむを得ない理由がない)
・求職活動実績がなく、失業認定日に不認定処分を受けた方
・ハローワークの紹介や職業訓練、職業指導を拒んだ場合
延長される日数
原則60日分延長されます。
ただし、雇用保険の被保険者であった期間が通算して20年以上かつ所定給付日数が270日以上又は330日である方は、30日分が延長になります。
なお、延長された日数は就業手当、再就職手当、常用就職支度金の支給要件である残日数として扱われません。
個別延長給付の決定時期
個別延長給付の対象となる方については、所定給付日数分の受給を終える失業認定日に個別にご案内します。その際、求職活動の状況、内定見込みの有無についての申告が必要です。ひとりひとりヒアリングが行われます。
なお、個別延長給付の決定における認定日辞典で就職が内定している等、引き続き再就職の支援が必要ないと判断された場合は個別延長給付の対象とはなりません。