雇用保険(失業保険)とは

失業保険の離職理由コードとは(内容をわかりやすく説明)

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ここでは失業保険を受け取る時に大事な「離職理由コード」について詳しく説明していきます。

失業保険は、離職理由によって受け取れる金額や日数が変わってきます。
離職理由によって、すぐに受け取れる場合や給付制限で2ヶ月待たなければならないこともあります。
自分がどの退職理由なのか、把握する必要があるでしょう。

病気やケガでの退職のはずが、なぜか自己都合退職(正当な理由のない自己都合退職)になっていたということもありえます。

書面で確認する方法として「離職票-2」と「雇用保険受給資格者証」で確認することができます。
確認方法や具体的な内容について以下で説明します。

 

離職理由コードの見方と意味

離職理由コードとは退職理由が区分してコードです。
離職後、1週間ほどで会社より郵送される「離職票-2」の中に記載されています。

■離職票-2での確認方法

○がついている箇所が離職理由コードです。

またハローワークでの手続後、最初の認定日に渡される「雇用保険受給資格者証」でも確認することができます。ただし、この番号は離職票から紐付いたものです。

■雇用保険受給資格者証での確認方法

※離職票で書かれているコードと、雇用保険受給資格者証で書かれている数字は異なります。
ですが、A=1、B=2、C=3のように対応しています。

この離職理由コードは退職理由により大きく4つに分かれます。

・特定受給資格者(倒産や解雇等による退職)
・特定理由離職者1(正当な理由のある自己都合退職)
・特定理由離職者2(正当な理由のある自己都合退職)
・一般受給資格者(自己都合退職等)

この分かれた対象ごとによって2ヶ月の給付制限がつくのか、また給付日数の優遇措置があるのかが決まります。

対象者 2ヶ月給付制限 給付日数優遇
特定受給資格者 なし あり
特定理由離職者1 なし あり
特定理由離職者2 なし なし
一般受給資格者 あり なし

※2ヶ月給付制限とは、ハローワークで手続き後、失業保険受け取るまで2ヶ月間待たなければならない制度です。「なし」の場合は2ヶ月待つ必要がなく支給されます。

※2020年(令和2年)10月1日より、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月へと短縮されました。

※給付日数優遇とは、自己都合退職と較べ失業保険を長く受け取ることができます。(雇用保険の加入期間も関係します)

それぞれ4つの対象ごとに詳細を記します。

特定受給資格者 (倒産や解雇等による退職)

加入要件:6ヶ月以上(雇用保険加入期間)
給付制限:なし
給付日数優遇:あり

特定受給資格者は主に会社都合で退職する場合です。
自らの意思ではなく、倒産や契約更新不可等で退職せざるを得ない場合です。
また、給与の大幅減、残業過多などの原因による退職も含まれます。

離職コード 退職理由
1A (11) 解雇(3年以上更新された非正規社員で雇止め通知なしを含む)
1B (12) 天災等の理由により事業の継続が不可能になったことによる解雇
2A (21) 雇い止めによる解雇(期間の定めのある雇用契約(1年未満)を3年以上繰り返し、事業主側の事情によって契約満了、又は雇い止めとなったために離職したとき)
2B (22) 倒産・退職勧奨・法令違反等の正当な理由のある自己都合退職
3A (31) 事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
3B (32) 事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職

特定理由離職者 (正当な理由のある自己都合退職)

特定理由離職者とは、契約更新満了や、病気やケガ、家族の介護などで働けないなど、正当な理由がある退職の場合に該当します。

特定理由離職者1

加入要件:6ヶ月以上
給付制限:なし
給付日数優遇:あり

離職コード 退職理由
2C (23) 期間の定めのある労働契約の期間が終了し、かつ、次の労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が更新を希望したにもかかわらず、更新できなかった場合)

特定理由離職者2

加入要件:6ヶ月以上
給付制限:なし
給付日数優遇:なし

離職コード 退職理由
3C (33) 正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12ヵ月以上)
3D (34) 正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12ヵ月未満)

契約期間満了等

加入要件:12ヶ月以上
給付制限:なし
給付日数優遇:なし

離職コード 退職理由
2D (24) 契約期間満了により退職(更新について、更新なしと明記があった場合等で、労働者、事業主同意のもとに計画期間満了となり退職)
2E (25) 定年退職、移籍出向

一般受給資格者 (自己都合退職等)

正当な理由のない自己退職です。
2ヶ月の給付制限があり、給付日数も優遇されません。

加入要件:12ヶ月以上
給付制限:2ヶ月
給付日数優遇:なし

離職コード 退職理由
4D (40) 正当な理由のない自己都合退職
4D (45) 正当な理由のない自己都合退職(受給資格等決定前に被保険者期間が2ヵ月以上)
5E (50) 背任行為、懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職
5E (55) 背任行為、懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職(受給資格等決定前に被保険者期間が2ヵ月以上)

国民年金と国民健康保険の軽減について

会社を退職すると、社会保険から抜けるため自ら国民年金や国民健康保険へ加入しなければなりません
特に国民健康保険は前年度の所得より算出するため、かなり高額な保険料を請求されます。

離職理由によっては、国民年金の免除や国民健康保険料が軽減される場合があります。

国民健康保険の軽減措置の可能性がある離職理由コード

国民健康保険軽減される可能性あり
特定受給資格者 1A, 1B, 2A, 2B, 3A, 3B
特定理由離職者 2C, 3C, 3D

国民健康保険料の軽減制度については、お住いの市区町村役場ごとで異なります。
お住いの市区町村役場にて相談しましょう。ホームページで公開しているところもあります。

・記載例:新宿区の場合

国民年金の免除制度について

国民年金については、自己都合退職の場合でも全額免除になる場合があります
2019年4月からの納付額は月額16,410円です。収入がない時にはかなりの負担になります。

国民年金免除制度の詳細については、国民年金を安くする国民年金免除制度 をご覧ください。

まとめ

離職理由コードを確認することで、自身がどのような理由で退職したのかがわかります。
それによって受け取れる失業保険の額や期間が変わってくるのです。

失業保険の手続に必要なものが「離職票」。その離職票を作成しているのは会社側です。
もしも離職理由に納得できない場合は、手続時にハローワークにて相談しましょう。

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